読書が苦手なので、オーディオブックを聴いてみたいけど、初心者におすすめの小説があったら教えてほしい。
こんなお悩みに提案します。
- 馳星周さんの小説「少年と犬」のオーディオブックを紹介します。
ここ最近のオーディオブックは、ひと頃より小説がぐっと増えて、娯楽としても使えます。
ただ、僕の経験上、小説を初めてオーディオブックで聴く場合、いきなり長編作品や、登場人物や場面の交錯が多い作品、文体が難しい作品を選ぶと、脳が?ついて行けないかもしれません。
トラウマではないですが、オーディオブックにマイナスイメージを抱いてしまうかもしれません。
小説は、自己啓発書やビジネス書、実用書などと違って、まずは「耳(脳)慣らし」から始めた方がいいです。
そこで、おすすめする作品として、馳星周(はせ せいしゅう)さんの「少年と犬」を紹介します。
オーディオブックで小説を聴きたいと、利用を検討している場合も、無料体験をやっていますので、実際に「少年と犬」を聴いてみてください。
「少年と犬」は読書感想文の題材にもおすすめです。読まなくても、オーディオブックを聴いて書けますよ。
オーディオブックって?
オーディオブックとは、1冊をまるまる朗読した音声が収録されたものです。これを全部聴くと、その1冊を読破したことになります。
このため、目が悪い人にはもちろん、活字が苦手な人、本を読む時間がなかなか取れない人に、うってつけのサービスです。
初オーディオブック小説に「少年と犬」がおすすめな理由
初めてオーディオブックで小説を聴くのに、なんで馳星周さんの「少年と犬」がおすすめなのか、その理由は次の3つです。
【おすすめ理由1】直木賞の受賞作で高評価の作品です。
馳星周さんの「少年と犬」は、2020年(令和2年)の直木賞を受賞した作品です。
直木賞や本屋大賞など世間で大きな賞を取ったり、話題になったりした作品は、やはり面白いものや印象に残るものが多いです。
実際、「少年と犬」は、主だったインターネットの評価をみると、おおむね良好です。僕自身も、ツッコミ要素はいろいろありましたが、意表をつかれる展開続きで楽しめました。
もし読んだ結果、面白く感じなくても、話題作は読んでおいて損はないです。あとあと何かの時に話のネタになったりするので。
【おすすめ理由2】短編で構成されて聴き進めやすいです。
オーディオブックには文字が付いていません。朗読の音声だけです。内容を全て耳だけで理解しないといけません。
ビジネス書や自己啓発書、実用書のオーディオブックだと、全体が章や節で細かく区切られていて、文体も読者に語りかける感じなので、聴いても分かりやすいです。
これに対して、小説には独特の難しさがあります。
登場人物が多かったり、場面が頻繁に転換するような作品だと、耳だけでついていくのは大変です。
また、小説はもともと朗読して他人に読み聞かせる用には書かれていないので、日常会話では使わないような言葉や文学的な表現が出てきたりします。
それらのほとんどは、文字で見たら大したことないのですが、聴くと「???」ということがあります。
しかし、「少年と犬」は、こうしたことがありません。
まず、全体が6つの短編に分かれています。1つの物語なんですが、きっちり区切りがあるので、聴き進めるには楽です。
そして、それぞれの短編とも登場人物は少ないです。場面の転換も描写が分かりやすいので、混乱することはありません。
また、1つの文が短めで、文体は難しくないです。
「少年と犬」は、僕がオーディオブックで聴いた小説のなかでも、最も聴きやすかった作品のひとつです。
ちなみに、紙の本でも読みやすいです。
【おすすめ理由3】聴きやすい朗読です。
オーディオブックでは、本の内容よりも先に朗読が大事です。いくら良い本でも、朗読がイマイチだと、聴くのが苦痛になるからです。
オーディオブックの朗読は、プロのナレーターや声優、俳優が行っています。
このため、みなさん上手いのですが、なかには、癖があるというか、自分と相性が合わない人の場合が、ごくたまにあります。
この点は、「少年と犬」の朗読は、僕の経験のなかでは標準的。声も調子(テンポ)も良くオーディオブック初心者でも、聴きやすいと思います。
全体の収録時間は約9時間もありますが、長さを感じませんでした。
ちなみに、朗読者は、桑原敬一さんという声優さんです。
ネットで調べると、アニメや映画の吹替な数々の実績があるベテラン。オーディオブックの朗読も、源現時点で、10作品ほど担当されています。
「少年と犬」もそうですが、小説のオーディオブックの場合、セリフ部分は感情を含ませた朗読になります。ドラマを聴くような、活字を読むのとは違った情感が味わえます。
小説「少年と犬」のオーディオブックを無料で聴く方法
馳星周さんの「少年と犬」のオーディオブックは、アマゾンが運営する「Audible(オーディブル)」という専門サービスで取り扱っています。
購入できますが、毎月定額制で聴き放題の「月額会員プラン」の利用が安くておすすめです。
あなたが、オーディブルの利用が初めてでしたら、30日間無料で聴き放題を体験できます。もちろん「少年と犬」も楽しめます。
- 毎月の利用料は1,500円(税込み)です。⇒初めての場合は無料(30日間)。
- 「少年と犬」を含め対象の12万作品が聴き放題できます。
- 購入したい場合は定価の3割引になります。
- 解約はいつでもできます。無料体験中でもOK。
オーディオブック版の「少年と犬」を買うと、定価は3,000円です。紙の本より高いです。
でも、月額会員プランなら、単行本なみの月1,500円で、12万冊聴き放題なので、断然コスパがいいです。もし「少年と犬」が面白くなくても、他に1冊聴けば、元は取れます。
そして、解約の方も心配いりません。
月額会員プランには、契約期間の「しばり」はありません。1ヶ月だけの入会も可能です。
欲しいオーディオブックだけ聴いてすぐ退会してもOK。もちろん、無料体験だけでやめても大丈夫です。その期間中に解約手続きすれば料金は発生しません。
ただ、解約したあとは、オーディオブックは聴けなくなります。
お気に入りを手元に置いておきたいときは、購入すれば、あなたの所有物になって、ずっと聴き続けられます(3割引きで購入できます)。
オーディオブック未経験の人は、実際に使ってみないとどんなものかは分かりません。「少年と犬」を聴くにしても、まずは、Amazonオーディブルの月額会員プラン無料体験への登録をおすすめします。
【参考記事】Amazonオーディオブル「会員プラン」について
「少年と犬」ってどんな作品?【あらすじなど】
「少年と犬」の主人公は一匹の迷い犬です。彼が出会った飼い主ごとに6つの短編から成っています。
難しい言葉や表現が少ない文体で、1つの文章も短めなので、読みやすいです。
しかし、情景や感情はしっかり描写されています。特に犬に関する部分は絶秒。馳星周さんは大の愛犬家だそうなので、その本領を発揮されています。
その「少年と犬」のあらすじは、ネタバレにならない程度に簡単にまとめると、こんな感じです。
時代は、2011年の東日本大震災の直後。仙台をさまよっていた一匹の迷い犬がいました。
その犬は、シェパードの雑種犬で、飼い主からはぐれたのか「多聞」という名札がついていた。
多聞は、震災によって職を失い、家族のために犯罪に手を染めた男に拾われてます。
そのあとも、多聞は、新潟、富山、大津、山口と、新たなの飼い主との出会いと別れを繰り返しながら、西へ西へと移動していきます。
多聞は賢い犬なので、どの飼い主からも可愛がられます。しかし、飼い主はみんな幸せとはいえない人たち。何かしら悩みや傷を抱えていました。
多聞はそんな彼らにそっと寄り添います。ただそれだけ。
それでも、飼い主たちは多聞との出会いをきっかけに、つかの間の癒しや救いを得ます。
ただ多聞は、飼い主が変わっても、いつも南の方角を眺めているのでした。
震災から5年余りの歳月が流れ、多聞が辿り着いた場所は、熊本。
そこで、一人の少年と運命的に出会うのでした。。。
犬が主人公の物語というと、たいがいその忠実さや健気さ、優しさに感動させられますが、この点「少年と犬」も例外ではありません。
「少年と犬」の場合は、特に飼い主が多くて、それぞれの境遇が示す人間の愚かな面、悪い面、哀しい面が強烈なために余計、それらが際立ちます。
実際、多聞に惚れます。犬を飼っている人や飼ったことがある人は、多聞にすぐ感情移入していまうはずです。
もちろん、ツッコミどころやお涙頂戴的な感じがないわけではないですが、全体としては、胸熱な作品でした。
【「少年と犬」の基本情報】
著者 | 馳星周 |
出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2020年(令和2年)5月20日 |
単行本 | 308ページ(紙版1,760円、電子書籍版1,599円) |
オーディオブック | 8時間57分、朗読:桑原敬一(購入3,000円) |
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