海外のリゾート地で、動画を見ながらまったり、のんびりしたい。契約している「U-NEXT(ユーネクスト)」を海外からでも視聴できるのかな。
こんな疑問にお答えします。
- 海外からU-NEXTを見られる「VPN」というしくみと利用方法を紹介します。
海外の滞在先から、「U-NEXT(ユーネクスト)」で日本の動画を楽しみたいと思っても利用できません。
U-NEXTの動画を再生しようとすると「利用できません」とエラーになります。
U-NEXTは、不便なことに、海外から視聴できないようになっているんです。
これは、U-NEXTに限ったことではなく、他の日本のほとんどの動画配信サービスでも同じです。
でも、「VPN」というしくみを使えば、この不便の解消が期待できます。
ここでは、U-NEXTを海外から見るための「VPN」の利用方法について、その仕組みやサービス業者、料金、注意点などをまとめました。
この記事は、僕自身の海外滞在経験と現在カナダと中国に在住している家族や友人からの情報を活用して作成しています。U-NEXTを海外で見たいというときは参考にしてください。
※2023年(令和5年)4月現在の情報をもとに作成しています。最新情報は各関係先の公式サイトなどで確認ください。
U-NEXTとは、見放題作品数が国内最多(約27万本)の日本最大級の動画配信サービスです。
海外からU-NEXTは見られない?『海外からのアクセスと判定したため再生できません』というエラーが!
繰り返しになりますが、「U-NEXT(ユーネクスト)」は、海外から利用できません。
公式サイトにはアクセスできるのですが、肝心の動画は「海外からのアクセスと判定したため再生できません」とか「サービスのご利用は日本国内に限ります」といったエラーが出て見られません。
ちゃんとU-NEXTと契約して、料金を払っていてもです。
これは、滞在国側の問題ではなく、U-NEXTが制限しているんです。
U-NEXTの動画は、その権利者と日本国内向けという条件で契約して、配信しているという事情によります。
ちなみに、U-NEXT以外のほとんどの動画配信サービス、例えば「Netflix (日本版) 」「Amazonプライムビデオ(日本版:一部動画を除く)」「Hulu(日本版)」「NHKオンデマンド」「TVer」「YouTube(一部の動画)」といったところでも、同じ理由で、海外からは利用できません。
これは、旅行や出張などで海外に滞在する人にとっては不便ですよね。
でも、先にも触れましたが、「VPN」というしくみを使えば、多くの場合、海外から動画が見られるようになるんです。
海外からU-NEXTを視聴できる「VPN」とは?
VPNとは、インターネットを海外でも日本国内にいるのと同じように使えるしくみです。
U-NEXTは、日本国内からのアクセスしか動画が再生できないようにしているのですが、VPNは、海外からでも、日本国内からのように見せかけることができるんです。
では、U-NEXTが、どうやってアクセス元を判別しているのか?
それは、「IP(アイ・ピー)アドレス」というものをみています。
IPアドレスとは、インターネットにつなぐ度に、パソコンやスマホなど端末や機器に割り当てられる識別番号のこと。
通行証や切符のようなもので、これがないと、インターネットにつながりません。今、この記事を読んでいるあなたの端末にもIPアドレスが振られています。
IPアドレスは、接続元の国や地域など位置情報が分かるようになっていて、U-NEXTは、日本のIPアドレス以外だと、動画の再生を拒否します。
VPNは、海外にいながらにして、日本のIPアドレスの割り当てを受けることができるんです。
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、公衆用の回線と別になった仮想の専用回線のこと。
イメージ的には、海外の滞在国から日本に通じる専用のトンネルです。
海外でインターネットに接続する場合、通常は滞在場所から「直」です。VPNの場合は、一旦トンネルを経由して日本から接続します。
そうすることで、日本のIPアドレスが割り当てられて、U-NEXTも利用できるようになります。
※現地(滞在場所~VPNトンネルの入口)の通信インフラやインターネット環境の状況で、通信速度や品質が左右されます。
※VPNで接続しても、日本の動画配信サービス側で、VPN経由の日本IPアドレスだと分かると拒否されて利用できない場合があります(会社によってVPN対策の積極度が違います)。
VPNはヤバい技術ではありません。国をまたぐVPNの使用自体は、日本を含むほとんどの国で合法です。ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、ベラルーシ、北朝鮮など禁止している国もあります。
中国は国内のインターネット接続に規制があるため、VPNが普及しています(禁止されていません)。規制は記念日や政治行事の開催日、重大な事件が起きた時などに強化されるのですが、その影響でVPNがつながりにくくなります。
また、U-NEXTでは成人向け動画も見られますが、禁止している国が多いので、海外での視聴には注意が必要です。
VPNの利用方法は?
VPNの利用は、難しくありません。
専門的な知識がなくても、普段スマホやパソコンでインターネットを使えているなら、基本的に大丈夫です。
- スマホ、タブレット、パソコンなどの端末
- インターネットに接続できる環境
- VPNサービス業者への登録
【手順1】端末とインターネット環境を用意します。
VPNは、インターネットに接続した状態で利用します。
海外の滞在先で、あらかじめU-NEXTを実際に見るのに使うスマホやタブレット、パソコンなどの端末と、インターネット環境を用意しておく必要があります。ホテルや寮、空港などのWi-FiやLANでも基本OKです。
VPNは回線(トンネル)だけなので、そこへ通じるインターネット接続の機能はありません。
【手順2】VPNサービスに登録します。
次に、VPN回線を提供しているサービス業者に利用登録します。
VPNサービス業者は星の数ほどあります。運営形態も企業/個人、合法/非合法、有料/無料とさまざまです。
特に初めての場合は、無料のところに心惹かれますが、止めた方が無難です。
なかには、個人情報やクレジットカード・口座情報の取得や、ウイルスやスパイウェアの拡散が目的のところがあったりして、安全面のリスクが大きいからです。
経験上、VPNについては「タダより怖いものはなし」です。
では、どこのVPNがいいのかということですが、もし可能なら、現地在住の日本人に尋ねてみてください。中国では地元の中国人にも。滞在場所それぞれ事情が違いますので、口コミが一番です。
それができない場合は、後述のVPNサービスの紹介を参考にしてください。
【手順3】U-NEXTを見る端末を設定します。
VPNサービスに登録すると、通常はユーザーID(アカウント)とパスワードが発行されます。それをもとに、初期設定を行います。
U-NEXTを視聴するスマホ、タブレット、パソコンなどの設定画面に、「VPN」という項目があるので、指定通りに入力して完了です(業者によっては、専用アプリで簡単にできます)。
以降は、U-NEXTを見るときに、端末の接続設定を「VPN」に切り替える、またはアプリを開くだけです。
その際、接続先(サーバ)の国名や都市の一覧が出るので、「日本」を選びます。すると、VPNトンネルを通って、日本に設置してあるサーバへの接続が始まります。
正常につながったら、その画面の向こうは日本国内。普通どおりに、U-NEXTにアクセスすると、動画を再生して見られます。
※接続先(サーバ設置場所)は、日本以外もあります(業者によって異なります)。
U-NEXTの登録(契約)がまだの場合は、海外からでも手続きできます。
U-NEXTには、「31日間無料トライアル体験」があるので、まずそれで実際にVPNを経由で動画が見られるどうかを確認しましょう。
U-NEXTが見られるVPNサービス
海外からU-NEXTが見られるVPNサービス業者は、いくつかあります。
ここでは、そのなかから、僕の経験と海外在住の家族や友人からの情報を踏まえて、以下の3社を紹介します。
- セカイVPN
- Nord(ノード)VPN
- スイカVPN
繰り返しになりますが、VPNとは別にインターネット環境を別に用意しておく必要があります。
どこのVPNサービスも、U-NEXTが絶対に見られる、正常に再生するとは断言できません。
U-NEXTの視聴を含めて、VPNは海外滞在地の通信インフラやインターネット環境(回線、速度、規制など)に左右されるので、ちゃんと利用できるのかどうかは、現地で実際に使ってみないと分からないからです。
U-NEXTはダメで、他の動画サービスはOKいうこともありえます。タイミングによっても状況は変わってきます。
このため、サービス業者は、無料お試し期間や返金保証が設けてあるところを選びましょう。もし不具合があっても安心です。
最大2か月無料「セカイVPN」
「セカイVPN」は、日本のインターネット業界では老舗のインターリンク社が提供しているVPNサービスです。
個人的には10年以上標準装備のVPNです。海外に行くときはもちろん、国内から海外サイトを見たいときにも使っています。
速度がちょっと遅い感じはあります(環境にもよりますが)。サービスとしては、可もなく不可もなくという感じ。
大きな特徴は、無料のお試し期間が最大2か月間もあることです。現地でじっくり検証できるので安心。お試しだけで解約もできるので、短期の出張や旅行だと期間中を通して無料利用も可能です。
今のところ、スマホアプリはありません(Windows、Mac用のみ)。
初期費用 | 無料 |
月額利用料 | 1,100円 |
無料お試し期間 | 最大2か月間(申し込み日~翌月末) |
VPN接続国 | 日本、アメリカ、ドイツ、台湾、韓国、フランス、イギリス、タイ、インドネシア、ベトナム |
同時利用 | 最大3台 |
IPアドレス | 共有IPアドレス |
接続方法 | PPTP L2TP OpenVPN IKEv2(Androidでは利用できません) OpenConnect |
対応端末・機器 | Windows macOS iOS(iPhone、iPad) Android |
速度に定評「Nord VPN」
「Nord(ノード) VPN」は、パナマに拠点を置く世界規模のVPNサービスです。問い合わせ対応を含めて日本語に対応しています。公式サイトも詳しく安心感があります。
速度やセキュリティーに定評があります。動画の視聴はやはり速度が重要です。実際に速度は他社よりも速い印象があります。個人的に「セカイVPN」で速度が遅くなって不具合が出た時に、ちょくちょく助けられました。U-NEXTの利用も基本的に大丈夫です。
操作はアプリが用意されていて便利です。
あと、無料のお試し期間がありません。代わりに不具合があったときは30日以内の返金というかたちになります。手続きは簡単ですが、一旦料金が引き落とされるので、ちょっと面倒です。
初期費用 | 無料 |
月額利用料 | 1,256円、(1年払いの場合)517円 |
無料お試し期間 | なし。代わりに30日以内なら全額返金保証があります。 |
VPN接続国 | 日本をはじめ60か国 |
同時利用 | 最大6台 |
IPアドレス | 共有IPアドレス |
接続方法 | OpenVPN IKEv2 NordLynx(WireGuardの補強版) |
対応端末・機器 | Windows macOS iOS(iPhone、iPad) Android Linux Fire stick Playstaion X-BOX など |
中国からは「スイカVPN」
「スイカVPN」は、日本のベンチャー企業が運営するVPNサービス。特に中国からの利用に重点を置いているのが特徴です。
中国のインターネット事情は特殊で、時期によって規制が強くなったり弱くなったり変動します。
このため、通常は中国でも「セカイVPN」が使えますが、時期によって不具合が発生したりします。そんなときの対応として「スイカVPN」で回避が期待できます(ダメな場合もありますが)。
無料のお試し期間は2週間。今のところ、スマホアプリはありません。
初期費用 | 無料 |
月額利用料 | 950円、(3か月払い)855円、(6か月払い)808円(1年払い)760円、(2年払い)717円 |
無料お試し期間 | 2週間 |
VPN接続国 | 日本をはじめ24か国 |
同時利用 | 1台(同じサーバに対して) |
IPアドレス | 固定IPアドレス |
接続方法 | PPTP L2TP IKEv2 Shadowsocks |
対応端末・機器 | Windows macOS iOS(iPhone、iPad) Android |
まとめ:海外からU-NEXTを見るには?
海外からは、U-NEXTを利用して動画の再生・視聴はできません。他のほとんどの動画配信サービスも同じです。
でも、「VPN」サービスを利用することで、見られるようになります。
ただ、実際のところは、現地で実際に使ってみないと分かりません。このため、無料お試し期間や返金保証のあるところの利用をおすすめします。
VPNサービスは日本国内でも使い道があります。
VPNは海外からだけじゃなく、日本でも使い道があります。
例えば、YouTubeで下図のような表示が出たことはありませんか。日本からその動画にアクセスできないように制限されています。こういう場合も、VPN(トンネル)の接続先(サーバ)を動画の配信国に切り替えると見られます。
他国の動画配信サービスも海外からのアクセスに制限をかけている場合が多いです。U-NEXTの場合と逆パターンで、日本から海外サービスを利用したいときに、VPNが役立ちます。
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